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1月17日5時46分
そっと目を閉じる。
目の前に広がるのは無数の光。
僕の見たこと、それぞれのシーンだ。
未知の揺れ、自分が揺れているのか周りが揺れているのか。
小学校四年生の当時、遊びのように毎年楽しんでいた避難訓練で
想像していたものとは全然違った。
家族四人で一緒に寝ていて
気がつけば、父が僕の、母が妹の上に四つん這いになって
覆い被さり守ってくれていた。
長く短い揺れが収まり、四人で手を取り合って寝室を出ると
部屋はめちゃくちゃ。ガラスが砕け散り、木星の家具は全て倒れていた。
もし自分の部屋で寝ていたら...ぞっとした。
住んでいた団地から出ると、下の駐車場には
ご近所の皆さんが避難し始めていて、それぞれ車の中に逃げ込んだ。
また、余震。
しばらくして、父も含めた大人の男手が
避難できていない住民がいないか捜索に向かった。
無力ながきんちょはただ震えているだけだった。
この地震の記憶だけは決して薄れずにずっと残っている。
他にも、数日間の小学校での避難生活。
大阪に向かう為、阪急の線路を御影から開通している西宮まで歩いたこと。
父が仕事で、市民病院に向かうのに同行した際に見た
一部水没したポートアイランド、運ばれてくる沢山の人たち。
僕の場合は、不幸中の幸いで、家族や周りの方は命だけはありました。
しかしながら、この震災で亡くなられました方々、そのご家族の方々を思う気持ちは
非常に近しい感覚で僕自身に重く深く存在しています。
あれから、16年。
忘れないこと、忘れられないこと。
繋いでいくことが何よりも大切なんだと思います。
最後に、不幸にも震災で亡くなられました方へ。
安らかにお眠りください。
そして、これからもご遺族の方々、そして私たちの神戸を
暖かく見守ってください。
by fujikawa_taisuke
| 2011-01-17 23:25